若い頃に読んだ

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若い頃に読んだ


朝から雨が降り続いている。いつもベランダにやって来る野良猫も今日は影を潜めている。きっと慰霊塔にある集会所の軒下か納屋の中に潜り込んでいるのだろう。春の終わりの雨は執拗で、私はその幽けき音を聞きながら窓の外をぼんやりと眺めている。

チャンスの神様には前髪がなく、通り過ぎてしまうともう捕まえられないのだと若い頃に読んだ本に書いてあった。だからやって来るのを待ち構えていてちゃんとその前髪を捕まえなければならない。ぼーっとしていてはそんな芸当は出来ないだろう。
けれど待っても待っても、それが訪れない時だってある。私は亥年のおひつじ座生まれのO型で、ずっと待つことが苦手でもある。星占いとか血液型診断とかそういうものは信じていないけれど、猪突猛進とか勇猛果敢とか破天荒とか博覧強記だとか、人に言われると何だか当たっているような気持ちになる。
単なる短気なのかも知れないけれど。

ところがうちの猫たちは結構おっとりしている。野良猫がベランダから顔を覗かせようが迷い猫が入って来ようが意に介さずに普段通りにしている。食べ物で争うこともないし、みんな好き勝手な場所で寝ている。氏より素性という言葉があるけれど、きっと飼い主である私とは性格が違って、のんびりやなのだろう。

今月は何とか家賃や光熱費を支払い、保険料も払うことが出来た。これで先月とは違い、家に居られるから一安心だ。電話は止まっているが、何とかネットは使えているから、こうしてブログを書くことも出来ている。今月さえ乗り切れば3月からは普通に仕事が出来たので来月からはきちんと仕事をした分はお金も入って来る。

はっきり言って保険金の支払いがこんなに時間がかかるとは思わなかったので、支払いだけで精一杯になり食べ物を買うことが出来ず、多くの方に未だに心配をかけている。
あと三年もすれば還暦なのに情けないことだ。

でも、私は自分の運が悪いとは思ったことがない。ストーカー被害に遭っても詐欺事件に巻き込まれても、電気が止まっても食べ物がなくても、運が悪いなあとは思えないのだ。たしかに家族を早くに亡くし天涯孤独ではあるが、やっぱり運がいいとか悪いとか、そういうせいにしたくないとどこかで思っているのだろう。
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